こんにちは。フリーライターの相良海琴(@mikoto_write)です。
私が2020年から始めて定着した良い習慣のひとつに、オーディオブックで「本を聴く」ことが挙げられます。
手を使い本のページをめくって読むのではなく、オーディオブックのアプリを活用してナレーターが読み上げる朗読を聞く。
これが私の生活に馴染んだので、この記事ではオーディオブックのメリットやデメリットをご紹介した上で、実際に私が使っている2つのサービスについて解説させていただきます。
記事のポイント
・オーディオブックは手も目も使わずに情報をインプットできる便利なサービス
・Audibleは洋書も充実、コインをうまく使えば月額料金の元は取れる
・audiobook.jpは聴き放題でたくさん聴ける
オーディオブックとは?
(photo by pixabay)
オーディオブックは、「本を聴く」ためのサービスです。
紙の書籍や電子書籍の代替手段として支持されています。
ナレーターが本の内容を朗読した音声を聞くことで、耳から情報をインプットできるのが大きな特徴です。
日本でオーディオブックサービスが提供されるようになったのは、オトバンクが「FeBe(2018年3月に「audiobook.jp」へリニューアル)」をリリースした2007年と見られています。その後2011年以降のスマートフォンの普及により、市場が形成されました。
さらに、Amazonの「Audible」が2015年に日本市場へ参入してから、市場が活性化しました。
2020年1月に日本能率協会総合研究所が公開したMDB有望市場予測レポート「オーディオブック配信サービス」によると、日本のオーディオブック市場は拡大傾向にあります。
アメリカなどに比べると小規模にとどまっていますが、それでも2018年頃には50〜60億円規模だったのに対し、2024年度の市場は約260億円にまで伸びると予測されています。
オーディオブックのメリット
オーディオブックで「本を聴く」というのは、読書好きの方は邪道に思うかもしれません。
しかし、私はオーディオブックを取り入れて本当に良かったと思いますし、今後も使い続けるつもりです。
それは、以下のようなメリットがあるからです。
両手が塞がっていても本の情報をインプットできる
私が思うオーディオブックを使う最大のメリットは、両手が空かないときでも耳から本の情報を入れられることです。
日本のオーディオブック市場の先駆け的存在である「audiobook.jp」が「忙しいあなたも、耳は意外とヒマしてる」としているように、手が使えなくても耳は使える時間は意外とあります。
・通勤や通学をはじめとする移動中
・掃除・洗濯・料理などの家事中
いずれも本を手に持ってページをめくるのは難しいですが、ながら作業で音声に耳を傾けるだけならできます。
私も、移動しているときと料理や洗い物をしているときは、すぐにイヤホンをしてオーディオブックを聴きます。
料理と洗い物にはほぼ毎日1〜2時間ほどかかってしまうので、その時間を丸々インプットに使えるのは学習効率が良いと感じます。
目を使わなくていい
オーディオブックの2つ目のメリットは、目を使わなくても本の内容がわかることです。
紙の本や電子書籍の内容を理解するためには、当たり前ですが活字を目で追う必要があります。
この活字を目で追うという作業は、目が疲れているときには辛く感じることもあるでしょう。
特に現代人はスマホやパソコンなどに向かう時間が多く、眼精疲労に悩む方が多くいます。
実際に、マイボイスコム株式会社が2020年1月に約1万人を対象に実施したアンケート調査によると、気になる目の症状として「目が疲れやすい」と回答した人の割合は51.0%でした。
オーディオブックを使えば、眼精疲労に悩んでいる方でも目を酷使することなく本を楽しめます。
また、「目が疲れているけど本を読みたい!」という読書に積極的な方だけでなく、「そもそも読書が苦手」と感じている方にもオーディオブックはおすすめです。
活字を追うのが嫌い、本を読むのが遅く途中で飽きてしまうなど、読書に苦手意識を持っている人は意外といます。
そのような方も、オーディオブックを活用すれば耳から情報が入ってきます。
読書が苦手だけど本を読まなければならないという意識を持っている方は、まずオーディオブックを取り入れてみるのが良いでしょう。
効率化を図れる
オーディオブックには、効率的に情報をインプットできるというメリットもあります。
これは、オーディオブックであれば容易にスピードを早められるからです。
書店に速読の解説本がズラリと並べられていることからもわかるとおり、読書スピードを速めたいと考えている人は多いものです。
しかし、特にあまり知識を持たない分野の本は、サッと流し読みしたり要点だけを拾ったりするのが難しく、速読は困難です。
その点、オーディオブックであれば、音声を倍速で聴けます。
例えばAmazonが提供するAudibleの場合、再生速度は0.5倍から3.5倍まで、0.05刻みで調整可能です。
自分の読書スピードに関わらず、強制的に倍速で流すよう設定することで、短い時間でのインプットが叶います。
オーディオブックのデメリット
オーディオブックには大きなメリットがありますが、もちろんデメリットも存在します。
オーディオブックのデメリットになりうると私が感じるのは、以下の2つです。
図表をその場で確認できない
書籍には、読者の理解を深めたり事実を客観的に述べたりするために、図表を用いるものも多くあります。
オーディオブックで本を聴いている場合、図表が多い本だと内容をつかみにくいというデメリットがあります。
「図表1をご覧ください」とナレーションが入っても、手が離せない作業をしている場合は聴きながら図表を見ることができません。
そのため、どうしても書籍のように図表と活字を照らし合わせて理解を深めることが難しいのです。
ただし、基本的にはオーディオブックでも添付資料を別途ダウンロードできます。
そのため、手が空いているときに資料をダウンロードしておき、一度聴いてから該当箇所の図表をチェックできます。
書籍よりも手間がかかりますが、一度耳で聴いてその後資料を確認することで復習を兼ねられると思えば、私はそこまで気になりません。
オーディオブックで聴き、「図表が多いから書籍で確認したい」と感じたものは書籍で購入しても良いでしょう。
しかし、時間がない場合は図表を見なくても、本の内容を理解することはそこまで難しくないと感じます。
なぜなら、「図表をご覧ください」という指示の後には、著者が図表の解説を書いていることがほとんどだからです。
そのため、音声を聴くだけでも著者の主張は頭に入ってくるのです。
図表をその場で見られなくても、本の内容がきちんと理解できればいい。そう考えている方に、オーディオブックは向いているといえます。
すべての書籍があるわけではない
オーディオブックは便利なサービスですが、世に出ているすべての書籍を音声データ化しているわけではありません。
各サービスで提供される書籍は増えているものの、読みたい本がないケースは多々あります。
恥ずかしながら、私はこれまであまり本を読んでこなかったので、とにかく気になった本を手当たり次第に聴いています。
そのように、ジャンルや本の新旧を問わずインプットしたい方にとっては、オーディオブックは良いサービスといえるでしょう。
一方、常日頃から書籍をたくさん読んでいて、オーディオブックにラインナップされている本は大体網羅しているという読書家の方は、物足りなさを感じるかもしれません。
月額会員になる前に書籍数やラインナップを確認するなど、自分に合うサービスかどうか見極めてから利用しはじめるのが良いでしょう。
「Audible」と「audiobook.jp」の比較
オーディオブックのサービスはいくつかありますが、私はAmazonの「Audible」とオトバンクの「audiobook.jp」の2つを使っています。
各サービスの特徴を、表にまとめました。
<Audibleとaudiobook.jpの特徴>
サービス名 | Audible | audiobook.jp |
ラインナップ | 40万冊 | 2万3千冊 |
プラン | 有料会員
(登録なしでも利用可能) |
無料会員
有料会員 |
料金 | 月額1,500円 | 聴き放題プラン月額750円、
月額会員プラン550〜33,000円 |
初回特典 | 1カ月無料
最初の1冊を無料で聴ける |
30日間無料で聴き放題プラン利用可能 |
聴きやすさ | ○ | ○ |
アプリの使いやすさ | ○ | ○ |
※金額はいずれも税込、2021年5月時点
それぞれの特徴を、詳しく見ていきましょう。
本の冊数と種類
ラインナップを比較すると、Audibleが40万冊以上と圧倒的に多いように見えます。
ジャンルも豊富で気になる1冊を見つけやすいのが、Audibleの魅力です。
しかし、注意点として覚えておかなければならないのは、40万冊のほとんどが洋書で、和書は約1万冊程度であることです。
日本語で聴ける本が他のサービスより群を抜いて多いというわけではないので、気をつけましょう。
英語の本を聴いてリスニング力を高めたい方には、さまざまなジャンルの本が揃っているAudibleが非常におすすめです。
プラン
Audibleの場合、会員登録をするだけで月額料金1,500円が発生します。
会員登録しなくても気になる本を単品購入できますが、会員登録すると1冊30%オフで買えるので、継続して利用するなら会員になったほうがお得です。
注意点としては、1,500円で聴き放題になるわけではないことです。
1,500円はあくまで会員を継続させるための費用であり、読みたい本は別途お金を払って購入することになります。
しかし、Audible会員になると、コインが毎月1枚もらえます。
このコインはすべての本と引き換えられるので、月額料金である1,500円よりも高い値段の本を購入すれば、それだけで元が取れるのです。
私もコインと引き換えたのは、1,500円以上の本ばかりです。
ページ数が多くて高額な英語の原書を買うとき、コインを使うようにしています。
ちなみに私が1番お得なコインの使い方をしたのは、「究極の英語リスニング5本セット(アルク)」と引き換えたこと。
リスニング教材が5つ入って6,000円ですが、コインを使ったので実質1,500円で購入できました。
これは少々特殊な例ですが、1,500円以上の本はそれなりに多いので、気になる本はお気に入り登録してコインが更新されたら買うようにしても良いでしょう。
一方audiobook.jpの場合、登録自体は無料です。
そのため、無料会員登録をして気になる作品だけ単品で購入することもできます。
しかし、私がおすすめしたいのは月額750円の聴き放題プランです。
私もオーディオブックのメインはaudiobook.jpの聴き放題プランで、少しでも気になった本は気軽にダウンロードして聴いています。
発売から数年経った本がメインですが、比較的最近の本やベストセラーが期間限定で聴き放題に追加されることもあるため、今のところ「聴き放題に良い本がない」と感じることはありません。
ダウンロード数も無制限なので、とにかくたくさんの本を聴きたい方は、audiobook.jpの聴き放題プランを利用するのが良いでしょう。
また、audiobook.jpには聴き放題プランのほかに、毎月ポイントがもらえる月額会員もあります。
月額料金は550円、1,100円、2,200円、5,500円、11,000円、22,000円、33,000円の7種類で、それぞれaudiobook.jpのみで使えるポイントがもらえます。
聴き放題プランに入っていないベストセラーや最新作をお得に聴きたい方は、月額会員プランのほうが使い勝手が良いかもしれません。
初回特典
Audibleは、最初の1カ月間は月額料金無料で登録できます。
コインが1枚もらえるので、無料で1冊聴ける形です。
audiobook.jpも、30日間無料で聴き放題プランを利用できます。
無料期間中も「自分には合わないな…」と感じたら退会できるので、1カ月気軽に試してみても良いでしょう。
聴きやすさ、使いやすさ
音声の聴きやすさやアプリの使いやすさは、Audibleもaudiobook.jpも特に問題ありません。
音声については、ナレーターによって聴きやすさが多少変わってきますが、さすがに聞くに耐えないレベルで滑舌が悪い音声などには今のところ当たっていません。
また、どちらのアプリも直感的に操作できるため、初めてオーディオブックを利用する方も安心して使えるはずです。
Audibleとaudiobook.jp、おすすめの使い分け方
私は2020年6月からAudibleを使い始め、その後11月からaudiobook.jpも導入しました。
今のところメインはaudiobook.jp、追加でAudibleという使い分けをしています。
お恥ずかしい話ですが、私はここ数年読書量が本当に少なく、話題になった本も全くと言っていいほど読んできませんでした。
そのため、audiobook.jpに最新作が少なくても、数年前に流行した作品を聴いて楽しめます。
聴き放題に入っていない作品でも、audiobook.jpでは期間限定で追加されるポイントを使ったり半額セールを狙ったりして、お得に購入することが可能です。
今は聴き放題+単品購入で楽しんでいますが、今後の読書量によっては月額会員も検討するかもしれません。
そしてAudibleは、月に1枚もらえるコインで本を引き換えるのみにとどめています。
Audibleの単品購入は少々割高に感じるので、1,500円以上の本をお気に入り登録し、コインが配布されたら買う、という形を取っています。
ただし、どうしても聴きたい本と思える本がAudibleでのみ提供されていて、価格が1,500円未満の場合は、コイン引き換えとは別に購入しています。
メインはaudiobook.jpの聴き放題+単品購入、Audibleはコイン引き換えと場合によって単品購入。
このような形で、オーディオブックを活用しています。
耳が暇な時間を有効活用して、上手に知識をインプットしよう
今回は、私が使い始めてよかったと本当に思っているオーディオブックについてご紹介しました。
両手が塞がっているときでも情報をインプットできるというのは、忙しい方には大きなメリットとなります。
紙の本や電子書籍と比べてどちらか優れているほうを使うと考えるのではなく、場面に応じてより良い方法で本から情報を取り入れるのがおすすめです。
オーディオブックで購入したから書籍を購入してはいけない、という決まりはありません。オーディオブックで聴いて何度も読み返したいと思ったら書籍を購入するなど、自由な方法で本を楽しみましょう。
私が利用しているAudibleもaudiobook.jpも、それぞれに良いところがあります。
気になる方は、一度アプリをダウンロードしてみてくださいね。