こんにちは。オタ活に全力を出すフリーライターの相良海琴(@mikoto_write)です。
緊急事態宣言が延長に延長を重ね、なかなか外でオタ活をする機会がない。
都会に遠征してコラボカフェに行くことも、遠方に住むオタク仲間と会って可愛いドールの撮影会をすることも叶わない。
オタ活に全力を注ぎたくても、その機会がない。フラストレーションは溜まる一方だ。
しかし、最近私は「家でできる新しいオタ活」に出会ってしまった。
その名も、「推し香水」。
この記事では、推し香水サービスの概要や実際に頼んでみた香水の感想などをご紹介しようと思う。
Twitterで出会った、推しと過ごす日常を実現できる「推し香水」
私はライターとして執筆記事を紹介したり日常のつぶやきをしたりするTwitterアカウント(@mikoto_write)のほかに、オタ活を満喫するためのアカウントを持っている。
そこでは私と同じく推しに癒されたい、推しの情報を集めたいと考えている同志たちとつながっている。
普段タイムライン上に流れてくるのは、フォロー中のユーザーが載せた写真や絵、好きなアニメやゲームの情報など。
趣味や嗜好が似通った者同士がつながるため、興味を持つものが似てくるのも自然なことだ。
フォロワーがリツイートやいいねをした投稿を見て、それに興味を持つことも多い。
そして5月中旬、とあるツイートが私の目に留まった。
「推し香水を作った」というものだ。
「推し香水」とは、推し(好きなアイドル、タレント、2次元キャラクター等)のイメージに合う香りの香水である。
「大好きなあの人が香水をつけるとしたら、こんな香りのものを使うだろうな……」
という、オタクの妄想がフルに発揮されたアイテムである。
推し香水を購入すれば、いつどこでも推しの香りに包まれることができるのだ。
部屋の空間に吹きかけるもよし、抱き枕にシュッとするもよし。
そうすることで、「推しが確実にそこに居た」と感じることができる。
非オタの一般人からすれば理解しがたいかもしれないが、こちとら学生時代から数々の2次元推しを追いかけてきた筋金入りのオタクである。
オタクの妄想力を、侮ってはいけない。
推しがまとっていると思える香りを手に入れれば、平凡な日々は「推しと過ごす最上級の日常」に早変わりするのだ。
私の毎日に、推しの影がある。姿は見えずとも、残り香がある。
それだけで、生きる気力が湧いてくるというものだ。
これは、私も推し香水をオーダーするしかない。
外出自粛でオタ活の機会が失われている私は、すぐに推し香水を注文しようと決めた。
「Celes推し活」で香水をネットオーダーしてみた
推し香水は意外にも、複数の会社から提供されている。
推しの特徴を聞き似合う香水を選んでくれるものから、推しの誕生日のイメージ香水を作れるものまで、サービス内容も多岐に渡る。
私が目にしたツイートでは「Celes」が紹介されていたため、今回はCelesでオーダーすることにした。
Celesは、日本初の「ネット香水専門店」だ。
500種類以上もの香水を取り扱っており、ブランドや性別、香りのタイプやメインの香料といった要素から、好みの香りを絞り込むことができる。
自身で好きなタイプの香水を探すことも可能だが、香りのプロが購入者にぴったりの香水を提案してくれるサービスもある。
そのなかでも「Celes推し活」は、推しをイメージした香水をお試しサイズで届けてくれるサービスである。
記入欄に推しの説明を書いて送れば、日本フレグランス協会の資格を持つプロのスタイリストが推しのイメージに合う香水を選んでくれるのだ。
私がCeles推し活をおすすめしたい理由のひとつに、記入欄の素晴らしさがある。
なんと、「文字数が無制限」なのだ。
オタクの特徴として、突然の推し供給に「尊い…」「無理…」としか話せなくなる語彙力の無さが挙げられる。
しかし、友人に推しの魅力を語る機会などがあれば、オタクは時間を忘れて延々喋り続ける。大変矛盾した生き物なのである。
つまり、文字数無制限の記入欄を与えられれば、オタクは推しの魅力を延々記入できるのだ。
もちろん、推しに対して昂った馬鹿でかい感情を言語化しなければならないのは大変な作業でもあるが、文字数を気にすることなく推しのイメージを伝えられるのは大きなメリットといえるだろう。
長文を送りつける行為は、推しのイメージに合う香水を一つひとつ丁寧に選定してくださるプロのスタイリスト様方にお手数をおかけすることになるため、申し訳ない気持ちがある。
しかし、推しに関することなら一切妥協したくないこだわりの強いオタクがターゲットだと思われるので、ここは大目に見ていただきたい。
ちなみに、推し香水の容量は
- お試しムエット(試香のみ)500円
- 15回プッシュ(0.75ml)850円
- 50回プッシュ(2.5ml)1,700円
の3つから選べる(価格はすべて税込、2021年6月時点)。
3,000円以下の注文では、450円の送料がかかるので覚えておこう。
届いた香水を自分なりに解釈して“推し要素”を見つけ出す
私が今回イメージ香水をオーダーしようと考えたキャラクターは、国民的人気作品「ONE PIECE」に出てくる海賊 トラファルガー・ローである。
ここでは、トラファルガー・ローの香水をオーダーするときに書いた内容を一部ご紹介しよう。
(以下はあくまで筆者個人の解釈であるため、「そんなキャラじゃない!」という苦情は一切受け付けない。
同キャラの推し香水をオーダーする際の参考にしていただいても構わないが、できればあなたが思う同キャラの解釈をあなた自身の言葉で紡いだほうが、より満足できる仕上がりになるだろう。)
『ONE PIECEのキャラクター「トラファルガー・ロー」のイメージ香水をお願いします。
トラファルガー・ローはハートの海賊団の船長をしている海賊で、26歳。身長191cm。細身かつ筋肉質でセクシーなお兄さんという印象です。
オペオペの実という悪魔の実の能力者。オペオペの実を食べると改造自在人間となり、外科手術で必要な切断や接合、電撃といった行為を自由にできるようになります。無双の外科医として手術を行うだけでなく、攻撃にも技を使用することから「死の外科医」と言われています。
冷酷で残虐性があると世間からは恐れられますが、実は人情に厚いというのが私の解釈です。実際に敵と戦って致命傷を負ったルフィに手術をして、命を助けたのもローでした。病気で困っている子どもに治療をするなど、優しさがあります。
また、ローには幼少時代に自分を救ってくれた男性の本懐を果たすために生きてきたという歴史があります。その男性はローを守るために命を落としてしまい、ローはそれから10年以上も恩人を殺した相手に復讐するために生きてきました。復讐の機会を得たとき、ローは「良くて相討ち」という決意で戦闘に挑みます。結局個人戦ではあと一歩というところでしたが、復讐の相手はルフィによって倒されました。秘めたる闘志を燃やす熱い男でもあると思っています。
ローはルフィ率いる麦わら海賊団と同盟を組み、さらに強い敵を倒そうとします。ロー自身は冷静できちんと計画を立てて行動するタイプですが、破天荒なルフィに何度も振り回されます。クールな表情がルフィに振り回されることで崩れるところに、ギャップ萌えを感じます。
何卒よろしくお願いいたします。』
このようにオーダーし、数日待って届いた香水がこちら。
Le Labo(ルラボ)のSantal 33(サンタル33)という香水だ。
今回私は50回プッシュ(2.5ml)を頼んだが、このように小さなスプレーボトルと香水に関する情報が記載されたカードがついてきた。
カードの表面には香水の名称と、詳細を確認できるQRコードが載っている。
そして裏面は、香りを試して評価をメモできるようになっている。
私は今回他キャラの推し香水も同時にオーダーしたが、カードにどの香水がどのキャラクターのものかきちんと書かれているため、複数頼んでもわからなくなってしまうことがなく安心だ。
それでは早速、トラファルガー・ローでオーダーした推し香水を嗅いでみよう。
付属のカードにワンプッシュすると、まずウッディ系の香りがガツンと鼻に突き刺さる。
「切り立ての木材、お届けしました!」と言わんばかりの激しい主張でグイグイくる香りに、思わず「うっ……」と顔をしかめてしまった。
これまでにウッディ系の香水をつけたことがなかったので、少し嗅覚がびっくりしたのだろう。
正直、この時点ではあまり好みの香りではなかった。
しかし、ウッディ系の奥に、わずかながら石鹸のような清潔感のある香りを発見した。
本当にわずかだが、フワッと優しく爽やかな匂いが漂ったのだ。
そして、清潔感を覆い隠しながらウッディ感に追随するかのように、レザー系の深みのある香りと色気たっぷりのムスクの香りが追ってくる。
つけた瞬間は頑なな決意を表すような強さが強調されるものの、徐々に落ち着きのある大人の色気が顔を覗かせる。
- ウッディ:凛としたクールさ
- レザー:恩人のため燃やす復讐心と闘志、相討ちの覚悟が混ざり合う複雑さ
- ムスク:大人の色気、外科医として人助けをする優しさ
というように、それぞれの香りでローが表現されていると感じた。
ちなみにQRコードを読み取ることで見られる香水の詳細ページには、
一人のカウボーイが広大な空の下、馬に寄りかかり優雅にタバコをふかす古き良きアメリカのファンタジーからインスパイアされた香り(Celes)
という記載があった。
己が自由でいることを何よりも大切にし、放浪を趣味としているローのイメージが表現されているように思う。
このように、実際に感じた香りや読んだ説明文などから、どのあたりに“推し要素”があるかを自由に解釈できるのが推し香水のおもしろさだ。
プロが説明文のどのあたりからどの香りをセレクトしたのか、実際にはわからない。
わからないからこそ、自分なりに解釈して推し要素を探し出す楽しさがある。
今回届いた香水は、正直なところ自分が普段つけて歩きたい香りではなかった。
しかし、これは「推しのイメージを表現した」推し香水である。
そのため、私に似合わない香りだったとしても、推しに似合っていれば100点満点だ。
トラファルガー・ローでオーダーした推し香水は、私が考えるローのイメージにかなり合っていると感じた。
つまり、今回の推し香水は大成功。
これで私は、トラファルガー・ローの存在を感じながら毎日を過ごすことができる。
自分より先に起きて航海に出発したローの残り香を感じつつ、私は私の仕事を全うしよう。
そんな妄想に手軽に浸れるようになったことで、日常にうるおいが加わることは間違いない。
自由に解釈を楽しみたいオタクにおすすめ
ご紹介した「Celes推し活」は、プロが推しの説明文を一つひとつ見て香水を選んでくれるサービスだ。
そのため、記入欄に書いていないことを読み取ってもらうのは難しいだろうし、香り選びのセンスも自分と違うことがあるだろう。
「私の推しは、絶対こんな香りをまとっている!」という譲れない意見を持つ方には向かないが、「私が伝えた推しのイメージを、香りのプロはこう解釈してくれたんだ」「この香りのどこに推し要素が隠れているんだろう」と楽しめる方には、ぜひ推し香水を試してみてもらいたい。
イメージが膨らみ、推しをより愛おしく感じられるだろう。
ただし、6月上旬時点の情報では、Celesの推し香水サービスは6月30日で終了してしまうとのこと。
この記事を読んで「推し香水が欲しい!」と思った方は、早めに注文することをおすすめする。
【以下、6月28日追記】
6月上旬時点で「期間限定」とされていたCeles推し活は、
多くのリクエストがあり常時利用できるサービスとなったようだ。
これは朗報。
これから推しが増えたり推しの解釈が変わったりしたときに、いつでも新たな推し香水を注文できる。
Celes推し活は、推しへの感情を頻繁に爆発させるオタクにより優しいサービスになったといえるだろう。
私も引き続き利用させていただくつもりだ。
【追記ここまで】
Celes推し活 注文ページはこちら
また、Twitter等でCelesの推し香水お迎え報告が多数上がっているところを見るに、Celesには現在推し香水のオーダーが殺到していると思われる。
手元に届くまで、思ったよりも日数がかかるかもしれない。
しかし、今回Celesで推し香水をオーダーして解釈を楽しめたことで、ステイホームを頑張るオタクに全力でおすすめしたいと私は強く思った。
到着までに時間がかかることで、推しへの愛がより強固に育まれていくと考え、気長に待とう。
日常のなかで推しの香りを感じよう
推し香水は、先述のとおり「推しが日常に居る」感覚を味わえるアイテムだ。
空間や寝具など、好きな場所にプシュッと吹きかけて「そこに居た」感を味わおう。
もちろん、朝仕事に行く前自分につけて、推しのパワーをもらって1日頑張るという使い方でもいいだろう。
推し香水を取り入れてどのような妄想を展開するかは、人それぞれ。
自分なりの妄想を、思う存分楽しもう。